最終更新日: 2025/7/8
はじめに
バーコードは、実は世界中で100種類以上もあると言われています。これらは大きく2つのタイプに分けられます。

1つ目は、「バイナリーコード(2値レベルコード)」と呼ばれるタイプで、太いバーと細いバーの2種類だけで情報を表現するものです。2つ目は、「マルチレベルコード」と呼ばれ、複数の太さのバーを使って、より複雑な情報を表します。
さらに、バーコードは「1次元コード」と「2次元コード」にも分類されます。
1次元コードは横方向に情報を並べたバーコードで、商品や伝票などに使われています。構造がシンプルで読み取りも高速なため、現在でも広く利用されています。
一方、2次元コードは縦横の両方向に情報を持つため、より多くの情報を小さな面積に記録できます。QRコードのようにスマートフォンのカメラでも読み取れるのが特徴です。
形式としては、縦に積み重ねる「スタック型」と、ドットが格子状に並ぶ「マトリックス型」に分かれます。
このページでは、実際の現場でもよく使われている代表的な1次元コードと2次元コードについて、その特徴や用途をわかりやすく紹介します。
JANコード(EANコード)

JANコードは、食品や日用品などの商品に印刷されている、13桁または8桁の数字からなるバーコードです。商品を識別するために使われており、スーパーやコンビニのPOSレジなどで日常的に読み取られています。
国際的には「EANコード(European Article Number)」と呼ばれており、日本で使われているEANコードのことを、特に「JANコード(Japanese Article Number)」と呼びます。
JANコードは、先頭に「45」や「49」などの国コードが付いており、それによって日本の商品であることが識別できます。なお、標準タイプの13桁のJANコードは「GTIN-13」、短縮タイプの8桁のJANコードは「GTIN-8」と呼ばれることもあります。
JANコードとEANコードは基本的に同じ規格であり、国によって呼び方が異なるだけです。日本では「JAN」、国際的には「EAN」や「GTIN」という名称が使われています。
◎扱えるデータ:数字(0~9)のみ
◎表現できる文字数:13桁または8桁
JANコードの詳細はコチラ
ITFコード(Interleaved 2 of 5)

ITFコード(正式名称:Interleaved 2 of 5)は、商品の外装や段ボールへの印刷に広く使われています。
記録密度が高く誤読が少ないこと、また段ボールなどへの印刷が容易であることから、主に物流現場や倉庫管理などに多く採用されており、日本では標準物流コードとしてJIS化されています。
ITFコードにはいくつかの桁数のバリエーションがありますが、国際規格として使われているのは「ITF-14」です。
ITF-14は、JAN(EAN)コードの13桁に1桁のインジケータ(パッケージ識別子)を加えて14桁にしたもので、JANコードを取得していれば自由に生成・使用することができます。
当初利用されていた16桁の「ITF-16」は、2010年4月以降利用できなくなり、すべて14桁に統一されています。
◎扱えるデータ:数字(0~9)のみ
◎表現できる文字数:偶数桁のみ
ITFコードの詳細はコチラ
NW-7(Codabar)

NW-7(正式名称:Codabar)は、特にナンバリングを必要とする場合に最適で、図書館の貸出管理、宅配便の送り状、会員カード、医療検体ラベルなど幅広い分野で利用されています。
印刷品質が多少低くても安定して読み取れることから、実務現場での信頼性が高いコードです。
バーコードには数字や一部の記号を扱うことができ、そのコードの先頭と末尾にはスタートキャラクタ/ストップキャラクタと呼ばれる特定の文字(A B C Dもしくはa b c d)をつけて運用されます。
※注1
用途に応じて柔軟な設定ができ、独自システムとの連携にも適しています。
◎扱えるデータ:
数字(0~9)/記号(- $ : / . +)/スタート、ストップキャラクタ(A~Dまたはa~d)
◎表現できる文字数:自由
※注1 使用される読み取りシステムの設定により、半角小文字aで作成しても半角大文字Aと読み取られる場合があります
CODE39

CODE39は、英数字(大文字)と一部の記号を扱えるバーコードで、工場での部品管理、製品ラベル、社員証、セキュリティカードなど、商品以外の識別用途に適しており、耐久性や管理性が重視される環境で採用されています。
構造上、バーコード全体の横幅がやや長くなる傾向があるため、それにともなって印字スペースの確保が必要ですが、そのぶん読み取りエラーに強く、視認性が高いという特徴があります。
また、アメリカ国防総省(DoD)や日本の電子情報技術産業協会(EIAJ)などでも採用されており、国際的にも実績のあるバーコードです。
◎扱えるデータ:
数字(0~9)/アルファベット大文字(A~Z)/記号(- スペース $ / + % )/スタート、ストップキャラクタ(*)
◎表現できる文字数:自由
CODE128

CODE128は、英数字(大文字・小文字)や記号、制御コードなど幅広い文字種に対応しながら、短いバーコード幅で多くの情報を記録できるため、限られたスペースでも効率よくデータを表現できるのが特徴です。
商品や物流ラベルをはじめ、医薬品の個体識別、伝票、入出荷管理、製造工程など、業務システムと連携した場面で多く採用されています。
◎扱えるデータ:
フルアスキー/数字(0~9)/アルファベット(大文字・小文字)/記号/制御文字(CR、STXなど)
◎表現できる文字数:自由
UPC

UPC(Universal Product Code)は、アメリカを中心に流通業界で広く使用されている商品識別用のバーコードです。JANコードと同様にPOSレジでの読み取りに対応しており、主に小売商品に使われます。
UPCにはいくつかの形式がありますが、最も一般的なのは「UPC-A」と「UPC-E」の2種類です。
UPC-A

UPC-Aは、12桁の数字から構成されます。日本のJANコード13桁と比べて1桁少ないですが、基本構造はほぼ同じで、互換性があります。主に一般的なパッケージ商品に使用されます。
・キャラクタセット:数字のみ(0~9)
・コードタイプ:ひとつのキャラクタは7モジュールで、スペースで始まる2本のバーと2本のスペースで構成。
・スタート/ストップ:スタート/ストップともに「101」
・自己チェック機能:あり
・チェックキャラクタ:必要。モジュラス10ウエイト3を使用。
UPC-E

UPC-Eは、UPC-Aを圧縮した形式で、6桁の数字から構成されます。小型商品やスペースの限られたパッケージに対応するために設計されており、EANの短縮タイプ(8桁)と、同じコード体系を持っています。
・キャラクタセット:数字のみ(0~9)
・コードタイプ:ひとつのキャラクタは7モジュールで、スペースで始まる2本のバーと2本のスペースで構成。
・スタート/ストップ:スタートコードは「101」、ストップコードは「010101」。
・自己チェック機能:あり
QRコード

QRコードは、Webリンクや連絡先、決済情報などを格納できる2次元コードで、素早く読み取り可能な点が特長です。
数字・英数字・漢字など多様な文字列に対応し、小さなスペースでも情報を伝えられます。また、UTF-8やShift_JISを使えば多言語の情報も格納できます。
誤り訂正機能により一部欠損しても読み取れるほか、印刷物・デジタルの両方で利用可能です。使用時は十分なサイズと余白、高いコントラストを確保し、読み取りテストを行うことが重要です。
PDF417

PDF417は、1989年にシンボルテクノロジー社によって開発されたスタック型の2次元コードです。APSフィルム(写真用カートリッジ)の標準シンボルとしても使用されており、複数段にバーコードを積み重ねた構造が特徴です。
シンボルは最小2段から最大8段までの連続多段型で構成され、フルASCIIの128文字に対応しています。2段構成では英数字9文字または数字15文字、8段構成では英数字49文字、数字81文字までコード化できます。
CODE49

CODE49は、1987年にアメリカのインターメック社によって開発されたスタック型の2次元コードです。PDF417と同様に、複数のバーコードを縦に重ねた構造を持ち、APSフィルム(写真用カートリッジ)の標準シンボルとして採用されています。
シンボルは最小2段から最大8段までの多段型で構成されており、2段構成では英数字9文字または数字15文字、8段構成では英数字49文字、数字81文字までコード化できます。
DataMatrix(Data Code)

DataMatrixは、白と黒の小さなセル(ドット)を縦横に並べて情報を記録する2次元コード(マトリックス型)です。非常に高密度で、限られたスペースでも大量の情報を格納できるのが特徴です。
数十文字から数千文字までの情報を記録することができ、読み取りも非常に高精度です。小型部品や基板、医療器具、工業製品など、サイズや印刷スペースに制約のある対象物へのマーキング用途で多く使用されています。
また、コードの一部が欠損していても正しく読み取れるエラー訂正機能(ECC200)を備えており、過酷な環境下や製造ラインでも高い信頼性を発揮します。
MaxiCode

MaxiCodeは、1987年にアメリカの宅配業者UPS社によって開発されたマトリックス型の2次元コードです。高速処理を目的として設計されており、主に貨物の仕分けや配送トラッキングの用途で利用されています。
このコードの大きな特徴は、中央に配置された3重の同心円(「ターゲット」マーク)で、スキャナがコードの位置と向きをすばやく認識できるよう設計されています。これにより、ベルトコンベア上で高速に流れる荷物でも正確に読み取れる仕組みとなっています。
最大情報量は、数字で138文字、英数字で93文字までコード化できます。
MaxiCodeは、国際標準物流ラベル規格(ISO 15394)や米国自動車工業会(AIAG)などで仕分け用コードとして正式に採用されており、特に大量物流や配送業務における信頼性の高い情報伝達手段となっています。
GS1データバー(旧称RSS)

GS1データバーは、国際的な標準化団体GS1(旧:国際EAN協会)が開発した、比較的新しい1次元バーコードです。従来のJANコード(EAN)と比べて表示面積が小さく、省スペースでの印字が可能な点が特徴です。
商品識別コードに加えて、有効期限、ロット番号などの商品属性情報も一緒にコード化できるため、医療・食品分野を中心に活用が進んでいます。
もともとはRSS(Reduced Space Symbology)と呼ばれていましたが、2007年に「GS1データバー」へ改称されました。2006年にはGS1理事会により世界標準として採用され、2010年からは食品など一般消費財への使用も可能となっています。
GS1データバーは、3系統7種類のシンボルから構成されています。このうち、POSレジなどの定置式スキャナでの全方向読み取りに対応している2系統4種類が、流通現場での標準的な採用対象となっています。
JANコードやITFコードに次ぐ新しい標準バーコードとして、業種や商品を問わず幅広い分野での活用が期待されています。
◎扱えるデータと表現できる文字数
・GS1データバー Omni-directional:数字のみ(0〜9)、14桁(GTIN)
・GS1データバー Limited :数字のみ(0〜9)、14桁(GTIN)
・GS1データバー Expanded :数字と英字、最大数字74桁 または 英字41文字
GS1データバーの詳細はコチラ