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まめ知識[バーコードの種類]Knowledge

最終更新日: 2023/01/27


はじめに

バーコードは世界で100種類以上もあるとされており、太バー及び細バーのみの2種類で構成される 「バイナリーコード(2値レベルコード)」と、 何種類かの太さを持つバーで構成されている「マルチレベルコード」に大別されます。 また、ここ数年で急速に普及が進んだ2次元コードには、「スタック型」と 「マトリックス型」があります。 ここでは、1次元コードと2次元コードの代表的なものを紹介いたします。

JANコード(EANコード)


食品や雑貨など身近なお店のほとんどの商品に使用されている規格です。コードは13桁、または8桁と定められており自由に桁数を増やすことはできません。

JAN(Japan Article Number)コードは、日本における共通商品コード用バーコードシンボルとしてJIS化されており、 現在、生活用品のほぼ全てにマーキングされています。国際的にはEANコードと呼称され、国際的な共通商品コードです。
13桁の標準バージョンと8桁の短縮バージョンがあり、 後者はシンボルを印刷するスペースが小さい時に使用します。 いずれも「国コード」「企業(メーカー)コード」「商品アイテムコード」「チェックデジット」で構成されています。
最近、標準バージョンは「GTIN-13」、短縮バージョンは「GTIN-8」と呼ばれることもあります。

・扱えるデータ:数字(0~9)のみ
・表現できる文字数:13桁または8桁
JANコードの詳細はコチラ

ITFコード


ITF(Interleaved Two of Five)コードは1972年(昭和47)、米国インターメック社によって開発されたコードです。 バーとスペース(空白)それぞれ5本の組み合わせで2つの数字を表現する構成になっており、記録密度が高く誤読が少ないこと、 また段ボールなどへの印刷が容易であることから、物流用に多く採用されています。日本では標準物流コードとしてJIS化されています。
国際規格の「ITF-14」は、JAN(EAN)のコード番号の先頭に1桁加えて14桁にしたもので、 JANコードを取得していれば自由に使用できます。「ITF-16」は日本のみの規格で、 海外では読み取ることができません。

・扱えるデータ:数字(0~9)のみ
・表現できる文字数:偶数桁のみ
ITFコードの詳細はコチラ

NW-7


精度の高い印刷を必要としない、比較的シンプルな設計のため色々な場所で広く使われる規格です。

J1972年(昭和47)に米国モナーマーキング社によって開発された「CODABAR」の日本での呼称。 Narrow(細い)とWide(太い)の7本のエレメントで構成されていることから「NW-7」と呼ばれます。 7本のエレメントのうち2本が太いことから「Code2of7」とも呼ばれます。
数字、英文字、記号が表現でき、読み取りやすく印刷もしやすいため、工業用として多く使用されています。 特にナンバリングを必要とする場合に最適で、血液銀行の管理や宅配便の集配管理、 図書館の貸出管理、各種会員カードなど幅広く利用されています。

◎扱えるデータ
数字(0~9)/記号(- $ : / . +)/スタート、ストップキャラクタ(a~d)
◎表現できる文字数:自由

CODE39


数字・記号に加えてアルファベット(大文字)を扱うことができる規格。
9つのバーとスペースで1文字を表すこととなり、比較的バーコード全体の横幅が大きくなります。
誤読が少なく、コードに様々な情報を含みたい場合に便利です。

1975年(昭和50)に米国インターメック社によって開発されたシンボル。数字のほかに英文字もコード化でき、誤読率も低いため現在、産業分野で最も広く使用されています。米国防総省が軍事物資管理の公式コードに採用しており、米自動車工業会(AIAG)でも採用しています。日本でも日本電子機械工業会(EIAJ)が物流用シンボルに決めています。

◎扱えるデータ
数字(0~9)/アルファベット大文字(A~Z)/記号(- スペース $ / + % )/スタート、
ストップキャラクタ(*)
◎表現できる文字数:自由

CODE128


1981年(昭和56)に米コンピュータアイデンティックス社によって開発されたシンボル。1文字は3本のバーと3本のスペースで構成され、1キャラクタは11モジュールに細分化されています。1キャラクタでフルアスキー128文字が表現できるところから「CODE128」と呼ばれています。
1989年(平成1)にEANで商品の補足コードとして採用され、2000年(平成12)にはISO/IEC15417になっています。

◎扱えるデータ
フルアスキー/数字(0~9)/アルファベット(大文字・小文字)/記号/制御文字(CR、STXなど)
◎表現できる文字数:自由

UPC


UPCは「Universal Product Code」の略で、1973年(昭和48)にUCC(Uniform Product Code Council Inc.)によって、米国の小売業向けの共通シンボルとして制定されたバーコードです。Regularタイプの「UPC-A」は12桁、メッセージから余分な「0」を排除したZero Suppressionタイプの「UPC-E」は6桁で、さらに13桁から29桁までフリーの桁数にできる「UPC-D」もあります。 UPCはEAN(JAN)と互換性があり、UPC-A バージョンはEANの標準バージョン(12桁)と、UPC-EバージョンはEANの短縮バージョン(8桁)と、それぞれ同じコード体系を持っています。

UPC-A


・キャラクタセット:数字のみ(0~9)
・コードタイプ:ひとつのキャラクタは7モジュールで、スペースで始まる2本のバーと2本のスペースで構成。
・スタート/ストップ:スタート/ストップともに「101」
・自己チェック機能:あり ・チェックキャラクタ:必要。
モジュラス10ウエイト3を使用。

UPC-E(UPC-Aを6桁に圧縮したもの)


・キャラクタセット:数字のみ(0~9)
・コードタイプ:ひとつのキャラクタは7モジュールで、スペースで始まる2本のバーと2本のスペースで構成。v ・スタート/ストップ:スタートコードは「101」、ストップコードは「010101」。 ・自己チェック機能:あり

PDF417


1987年(昭和62)に米インターメック社によって開発されたスタック型の2次元コードで、 APSフィルムの標準シンボルとして使用されています。 シンボルは最小2段、最大8段からなる連続多段型(スタック型)。フルアスキー128文字をコード化でき、2段シンボルの場合は英数字9文字または数字15文字、8段シンボルの場合は英数字49文字、数字81文字をコード化できます。

CODE49


1987年(昭和62)に米インターメック社によって開発されたスタック型の2次元コードで、 APSフィルムの標準シンボルとして使用されています。 シンボルは最小2段、最大8段からなる連続多段型(スタック型)。フルアスキー128文字をコード化でき、2段シンボルの場合は英数字9文字または数字15文字、8段シンボルの場合は英数字49文字、数字81文字をコード化できます。

Data Matrix(Data Code)


1987年 (昭和62)に米アイディマトリックス社によって開発された、マトリックス型の2次元 コードで、日本では「Date Code(データコード)」と呼ばれています。
1次元コードを積み重ねたスタック型に対し、マトリックス型はセルと呼ばれる白黒交互の点 でコード化されています。 最大情報量は数字で3116桁、英数字で2335字、バイナリーで1556バイトのコード化が可能 で、誤り訂正率は自動的に決定されます。
最も小さいシンボルが作成でき、情報密度も最も高いことから、米国半導体工業会(SEMI)や米 国電子工業会(EIA)、米国規格協会(ANSI)で部品のマーキングに採用されており、マーキング スペースがないアプリケーションでは世界的に普及しています。
日本の株式会社デンソーウェーブが開発したQRコードもマトリックス型です。

Maxi Code


1987年(昭和62)に米国最大の宅配業者・UPS社によって開発された マトリックス型の2次元コードで、貨物の仕分けや追跡に利用されています。 シンボルの中央に特徴的な3重の同心円の切り出しマークがあり、 これによりリーダーが2次元コードの位置を瞬時に認識することができるため、高速読み取りに適しているという特徴を持っています。 最大情報量は数字で138文字、英数字で93文字です。
国際標準物流ラベルISO15394や米国自動車工業会(AIAG)では、仕分け用シンボルとして採用されています。

GS1データバー(旧称RSS)


GS1(旧・国際EAN協会)の標準バーコードシンボルの中で最も新しい1次元シンボル。その特徴はEAN(JAN)に比べて、表示面積を少なくできる「省スペースシンボル」であることや、商品識別コード以外に有効期限やロット番号など、商品の属性情報を追加表示できることです。
開発当初からRSS(Reduced Space Symbology)と呼ばれていましたが、2007年2月よりGS1データバーに改称されました。

GS1の理事会は06年、GS1データバーを新たに世界標準バーコードとすることを承認し、10年1月より食品など一般消費財をはじめ全ての商品のマーキングに利用できる予定です。
GS1データバーは、01年には医療材料・医薬品等の分野でのGS1標準シンボルとなり、日本でも一部医薬品ですでに実用化されています。
GS1データバーは3系統7種類ありますが、10年からの標準化の対象は定置式のPOSスキャナー(全方向読取スキャナー)で読み取り可能な2系統4種類のシンボルです。
業界や商品を問わずオープンに利用されるシンボルの標準化は、EAN(JAN)シンボル・ITFシンボル以来のことです。

◎扱えるデータ ・GS1データバーOmni-directional:数字(0~9)のみ
・GS1データバーLimited:数字(0~9)のみ
・GS1データバーExpanded:数字(0~9)と英字
◎表現できる文字数
・GS1データバーOmni-directional:数字14桁(GTIN)
・GS1データバーLimited:数字14桁(GTIN)
・GS1データバーExpanded:最大数字74桁または
英字41文字

GS1データバーの詳細はコチラ


この記事を書いた人

印刷ネットドットコム まめ知識コラム制作チーム 一同
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